ハンバーガー1個=ペットボトル2000本分の水!? ~台所から「きれい」と環境を守る~
2024/03/19
みなさん、こんにちは。
3月も下旬に差し掛かり、春の日差しが心地よく感じられる時期になってきましたね♪
この穏やかな四季を楽しめる環境を永続的に守れるよう、今月も「台所から『きれい』と環境を守る」コラムをお届けしたいと思います♪
さて、今回のテーマは「バーチャルウォーターと節水の関係」です。
みなさんは、「バーチャルウォーター」という言葉、耳にしたことはありますか?
日本語では「仮想水」「隠れた水」とも呼ばれますが、まだあまり知られていない言葉の1つです。
「バーチャルウォーター(Virtual water)」とは、「食料を輸入している国(消費国)において、もしその輸入食料を生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定したもの」です[1]。
1990年代にロンドン大学のアンソニー・アラン名誉教授が提唱しました。
この理論から考えられることとしては、海外から食料を輸入した場合、その食料だけでなく、その食料を栽培したり飼育したりする際に必要となる水も一緒に輸入していることになる、ということです。
たとえば、輸入した牛肉とパンで作られた90ℊハンバーガー1個に、どれ程のバーチャルウォーターが必要か算出されたものがあります。
パン45g…バーチャルウォーター72ℓ=500㎖のペットボトル144本分の水
牛肉45ℊ…バーチャルウォーター927ℓ=500㎖のペットボトル1854本分
これらを合算すると、ハンバーガー1個に999ℓものバーチャルウォーター、500㎖のペットボトルおよそ2000本分の水が使われていることになります。
すなわち、私たちが日常で何気なく購入して食べている食料品や農畜産物の輸入の背景には、膨大な海外の水が潜んでいる(=隠れた水)ということになるわけです[1]。
日本が食料を輸入する国の中には、日本ほど豊かに水を使うことが出来ない国もあります。
世界中で見れば、実に4人に1人が安全に管理された水を使用することができないと言われています。
SDGs目標6に「安全な水とトイレを世界中に」というものがありますが、私たちが世界のため、持続可能な未来のために「今・ここ」で出来ることはどういったことがあるでしょうか。
まずは、「国産の農畜産物を購入すること」が挙げられます。
国内の生産者を応援するには、やはり国産物を選び経済を循環させていくことが有効です。
農林水産省の資料によると、日本の食料自給率は令和4年度、カロリーベースで38%と算出されています[2]。
1965年頃には73%だった日本の食料自給率は、それから60年が経過した現代では半減し、国産のものではなく外国からの輸入農畜産物に頼ることが常態化していることが分かります。
国内の第一次産業が潤沢になることで、経済面でも環境面でもメリットがあることがいえます。
また、エコロジーとエコノミーの両立として同様な視点で「フードロスを徹底的に削減すること」は、バーチャルウォーターの問題の解決にも結び付きます。
食糧の廃棄量を減らすことで、農畜産物の輸入量を軽減することができます。
そうすることで、世界各地の貴重な水を奪わずに済むため、日本にいながらにして世界を守る取り組みができるというわけです。
最後に、「目に見える水も節水すること」が挙げられます。
台所で洗い物をする際に、必要以上に洗剤や水を使わなくて良いように工夫することもできます。
インナービューティーダイエットで提唱しているウオータースチーム®も、油を使用しないという点では洗剤や水の節約にもなりますね。
限りある資源を次世代へ繋いでいくために、台所から「きれい」と環境を守っていきましょう。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。
参照:
[1]環境省 バーチャルウォーターとは 環境省_virtual water (env.go.jp)
[2]農林水産省 012-5.pdf (maff.go.jp)
[3]農林水産省 農林水産物輸出入情報 令和6年度1月yusyutu_2401.pdf (maff.go.jp)