旬を食べることが、地球を救うー地産地消のすすめ ~台所から「きれい」と環境を守る~
2026/05/19
みなさん、こんにちは。
IBPの有光眞織です。
いつもコラムをお読みいただきまして、ありがとうございます。
さて、2026年5月から、JAL・ANAをはじめとする航空会社の国際線燃油サーチャージが大幅に引き上げられたことが話題になっています。
日本発の欧州・北米方面では、片道で5万円台、往復では11万円台に達する水準となりました。
燃油サーチャージとは、航空機の燃料費の高騰分を利用者が負担する追加料金のこと。
原油価格の上昇が、遠い場所から物を運ぶコストをいかに押し上げるか、改めて実感させられるニュースです。

しかしこれは、飛行機の話だけではありません。
私たちの食卓にも、同じことが起きています。
スーパーに並ぶ野菜や果物、加工食品の多くは、遠く離れた産地や海外から、燃料を使って輸送されてきたものです。
原油価格が上がれば、その輸送コストも上がります。
つまり、食品の値上がりとも無関係ではないのです。
ということで、今回のテーマは「旬を食べることが、地球を救う——地産地消のすすめ」です。
食べ物が私たちの食卓に届くまでには、原材料の栽培・生産、加工、包装、そして輸送と、
さまざまな段階でCO₂が排出されています。
このライフサイクル全体を通じた温室効果ガスの排出量を「カーボンフットプリント(CFP)」といいます。
農林水産省は近年、食品産業全体でのCO₂削減を後押しするため、
加工食品のカーボンフットプリント算定ガイドを策定・公表し、
フードサプライチェーン全体での温室効果ガスの「見える化」を推進しています[1]。
なかでも特に注目されているのが、食品の「輸送」にかかるCO₂です。
これを数値で表したものが「フード・マイレージ」
——食料の重さ(トン)と輸送距離(km)を掛け合わせた指標で、
農林水産省が地産地消の推進とともに広く紹介しています。
輸送距離が長ければ長いほど、燃料消費もCO₂排出量も増えることになります。
その差は、想像以上に大きいものです。
農林水産省が石川県の和食献立で比較した試算によると、
市場流通に委ねて輸入食材を使用した場合は、石川県産の食材を使った場合と比べて、
フード・マイレージはなんと256倍、
CO₂排出量は44倍にもなるという結果が出ています[2]。
地元の食材を選ぶだけで、これほど大きな違いが生まれるのです。
5月は、新緑と同じく食卓も豊かな季節です。
新玉ねぎ、アスパラガス、そら豆、春キャベツ、たけのこ……
国産の旬の野菜が、全国各地の畑で元気よく育っています。
旬の野菜は、その季節・その土地で最も自然に育つため、
エネルギーコストも低く、栄養価も高いです。
地元で採れた旬のものを選ぶことは、体にも、お財布にも、地球にもやさしい選択なのです。

◆台所から始める「地産地消」のヒント
①買い物のとき、産地表示を確認する習慣をつける。
できるだけ地元・近隣県産を選ぶだけで地球に優しくなれます。
②直売所・道の駅・ファーマーズマーケットを活用する。
生産者の顔が見え、輸送距離も短い。
③旬のものを意識して選ぶ。
今なら新玉ねぎ、アスパラ、そら豆、春キャベツが旬です。
④国産米をしっかり食べる。
自給率ほぼ100%のお米は、フードマイレージが極めて低い優等生。

燃油サーチャージの値上がりは、「遠くから運ぶことのコスト」を改めて考えさせてくれます。
航空機の燃料も、トラックの燃料も、船の燃料も、すべて原油から。
食べ物を遠くから運ぶほど、その輸送が温暖化に影響を与えています。
でも逆に言えば、地元の旬のものを選ぶだけで、
私たちは確実に地球の負荷を減らすことができます。
「近くで採れた、旬のものを食べる」
——これほど身近で、シンプルな環境のための行動はないかもしれません。
今月も、台所から一緒に「きれい」と未来を守っていきませんか♪
ここまでお読み頂き、ありがとうございました♪
[1]農林水産省
加工食品のカーボンフットプリント(CFP)共通算定ガイド(2026.5.10参照)
https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/b_kankyo/250423.html
[2]農林水産省
環境保全に向けた食料分野での取組——フード・マイレージ(2026.5.10参照)
https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h22_h/trend/part1/topics/t3_01.html




