持続可能な「お肉」との付き合い方 ~台所から「きれい」と環境を守る~
2024/10/15

みなさん、こんにちは。
10月も中旬となり、秋も深まってきましたね。
平均気温は例年より高めですが、みなさんの地域はいかがでしょうか。
日本の四季の美しさを守るためにも、日ごろのライフスタイルを見直してみましょう。
今月も、今ある環境を永続的に守れるよう「台所から『きれい』と環境を守る」コラムをお届けします♪
今回のテーマは「持続可能な『お肉』との付き合い方」です。
突然ですが、みなさんは、1週間に、どれぐらいお肉を食べていますか?
お肉を食べないと満足しない方や、ご家族がそういうタイプの方、育ち盛りのお子さんがいる方などは、
私たちは毎日、スーパーで新鮮なお肉を簡単に買うことができますが、いつかそれが難しくなるかもしれません。
なぜなら、気候変動が肉の生産に影響を与えているからです。
その要因としてまず、干ばつや水不足の進行が挙げられます。
牛肉500ℊを生産するためには、約7000ℓの水が必要ですが、
水が確保できなければ生産は困難です。
さらに異常気象で牧草地が乾燥し飼料の供給も不足しています[1]。
また気候変動による気温上昇も要因の1つです。
ブロイラーは密集した環境で飼養されるため、酷暑の影響を受けやすいです。
例えば、気温が23℃の時と30℃の時では、産肉量が15%低下するというデータがあります[2]。
実際、この夏の異常な高温で、多くの農場でブロイラーの大量死が確認されました。
さらに、畜産業によって、温室効果ガスであるメタンを大量に排出され、放牧地を確保するための大規模な森林伐採も進み、
二酸化炭素を吸収するはずの森林が破壊されています。
これにより「気候変動の悪化」が一層、加速しています[3]。
では、このような現状に対し、持続可能な「お肉」との付き合い方として、私たち消費者は何ができるでしょうか。
それは<お肉の消費量を減らす>ことです。
「完全に辞める」のは難しくても、「減らす」ことは比較的、チャレンジしやすいのではないでしょうか。
- ハンバーグの挽肉の半量を、水切り豆腐や、おからにする。
- 大豆ミートや高野豆腐を活用して、料理のお肉を半分に減らす。
- 魚や大豆製品の活用法を知り、お肉以外のタンパク質源で食事を作る。
英科学誌「ネイチャー」では、壊滅的な気候変動を回避するために、
2050年に世界人口が100億人に達することを見据え、
現在の肉の消費量を90%削減することが必要不可欠だと、発表されています。
私たちが生涯にわたり、お肉やお魚、野菜や穀物などあらゆる食材を永く楽しむには、
「今」のライフスタイルを一工夫する必要があります。
次世代により良い地球環境を残すためにも、
今日の献立を少し工夫してみませんか?
今月もコラムをお読みいただきまして、ありがとうございました。
[1]日本貿易振興機構(ジェトロ)
3年連続ラニーニャ現象で干ばつが深刻化、穀物生産への打撃も(アルゼンチン) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース – ジェトロ (jetro.go.jp)
[2]日本畜産学会報 77巻(2006)2号
平均気温の変動から推定したわが国の鶏肉生産に対する地球温暖化の影響 (jst.go.jp)
[3]農林水産省