台所から「きれい」と環境を守る ~エシカル消費で、体も地球も美しく♡~
2023/02/21

2022年6月、消費者庁より、令和2年度の日本の食品ロス量の推計値として522万トン、このうち一般家庭から発生する家庭系食品ロスの発生量は、247万トンと発表がありました。
これは、国民1人当たり1日につきお茶碗の約1杯分のご飯を捨てていることになると言われています。
農林水産省の発表でも、上記の推定値に対して『食品ロス量が推計開始以来、最少になりました』と公表しています。
食品ロス削減のことが言われて久しく、年々減少傾向にあるものの、まだまだもっと減らせるのでは??と考え、このコラムを執筆しました。
そもそも食品ロスとは?
まだ食べられるにも関わらず、捨てられてしまう食品のことを指します。
食品が、生産者から私たち消費者まで届く中であらゆる場面で食品ロスが発生します。
①生産される時点・・・形が悪い野菜、規格外の野菜は流通できず廃棄
②製造される時点・・・需要を上回る製造、パッケージの印字ミスや破損などにより廃棄
③配送される時点・・・パッケージの破損、売れ残り、食品製造業者への返品などで廃棄
④販売・外食事業・・・小売店では売れ残りやパッケージの破損などにより廃棄、
飲食店においては作り過ぎ・食べ残しなどによる廃棄
⑤消費される時点・・・使い忘れ、買いすぎ、食べ残し、期限切れ、過剰除去により廃棄
どうしたら更に削減できる?
食品ロスは、事業系食品廃棄物(上記①~④)と、家庭系食品廃棄物(④・⑤)の大きく2つに分けられます。
私たちが食品ロスの削減にたやすく関与できるのは、いち消費者として様々な工夫が出来るといえます。
私の場合は、買い物の工夫、家庭内での調理法の工夫を心掛けています。
(1)買い物の工夫
①買い物前に、自宅にある食材を確認
⇒食材の期限も併せてチェックすることで、無駄な買い物が激減します。そうすることで、食費の節約が叶い、お財布にも優しい買い物ができます♡
②必要な分(使い切れる分、食べきれる分)だけを購入
⇒我が家の冷凍庫・冷蔵庫はいつもスッキリしています♪それは安いから買う、お得だから買う、ということを辞めたからです。そうすることで冷蔵庫の中が見渡せて、化石と化した食材が冷蔵庫の中から発掘される、という切ない出来事を回避することができます。
③すぐ使う食品は、商品棚の手前から購入(てまえどり)
⇒事業系食品ロスには、いち消費者として何も貢献できないかというと、そういうわけではありません。主婦の知恵として、『商品棚の奥から期限の遠い商品を取る』習慣をそれとはなしに刷り込まれてきましたが、今ではすぐに使う予定であれば、消費期限が近くて割引されている食品や、商品棚の手前から選ぶようにしています。これで小売店の食品ロス削減に貢献できます♪
④規格外野菜の販売サイトや『訳あり食材』の販売サイトなどを上手に活用
⇒これも③と同様、事業系食品ロスに貢献できる工夫の1つです。きっかけはコロナ時期の外食産業の落ち込みと食品ロスが大量に廃棄されるという報道を受けて知った訳あり食材の販売サイトでした。『キレイな形を良しとする消費文化』に一石を投じることができるのは、私たち消費者自身なのだと痛感しています。
(2)家庭内での調理法の工夫
①インナービューティーSDGs②『食材を丸ごと活用』の実践
⇒野菜は、皮や種まで丸ごと使うことで、野菜由来のフィトケミカルを含む栄養素を体に取り入れることができ、さらには調理の際に出る生ごみ(過剰除去分)を減らすことができます。オーブン焼き、干し野菜、ベジブロス、いろんな形で活用できます♪
②インナービューティーSDGs⑥『発酵の力で美腸実現』の実践
⇒生きた発酵調味料を活用することで、美味しさの底上げと腸内環境の改善が叶います。それに加えて、発酵調味料を掛け合わせて作る『発酵常備ダレ』は、腐敗知らずで保存が効くため、『保存料・添加物不使用のドレッシングを買ったらダメにした…』という悲しい出来事を回避することができます。
また、外食する際も、食べきれる量を注文、会食では『遠慮のかたまり』は相手に譲ってキレイに完食することも1つの工夫と言えます。日本ではまだ普及途中ですが、ドギーバッグの活用で持ち帰りを推奨する社会風潮も出てきていますね。
エシカル消費で出来る『小さな社会貢献』
エシカル消費とは、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動を指します。
私たちが食品ロスを削減することは、環境に優しく、人や社会への配慮にもつながる消費行動です。
(図は、消費者庁 食品ロス削減ガイドブックより引用)
『今だけ』『ここだけ』『自分だけ』を良しとする消費は、持続可能性は低く、現に廃棄された食品の焼却処分による温室効果ガスの発生や、世界の飢餓問題の未解決、家畜生産のための環境破壊など、様々な社会問題につながっています。
食品ロスや貧困、地球環境の悪化に関して国際的な関心が高まる中、2015年の国連サミットでは、食料の損失・廃棄の削減などを目標とする「持続可能な開発のための2030年アジェンダ」が採択されました。
SDGsにおける食品ロス削減への取り組みとは?
SDGsのターゲットの一つに、「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる」という目標(ターゲット12.3)が盛り込まれました。食品ロスの削減を通じてこのターゲットを達成するには、個人、事業者、自治体など、様々な方面からの協力が欠かせません。
だからこそ、『将来のこと』『国や世界のこと』『大事な家族や次世代を担う子供たち』に想いを馳せながら、今日のお食事の工夫を、出来ることから少しだけチャレンジしてみませんか。
今回もコラムをお読みいただきまして、ありがとうございました☆
食と心と環境を整えることで、私たちは揺るぎない自信を培うことが出来ます。
そして一緒に、健やかに美しく、楽しく歳を重ねていきましょう。
参照:
消費者庁 食品ロス削減ガイドブック
環境省 一般廃棄物処理事業実態調査の結果(令和2年度)について
農林水産省 Webマガジン aff(あふ)2020年10月号