台所から「きれい」と環境を守る ~これからも魚料理を楽しむには?~
2022/12/20
台所から「きれい」と環境を守る
~これからも魚料理を楽しむには?~
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魚料理は、その良質なタンパク質や良質な油、カルシウムの摂取として健康増進のために海外でも見直されてきています。
ところが今、その魚たちが棲む海で問題視されていることがあります。
みなさんは「海洋プラスチック汚染」についての報道を目にしたことはありますか?
2016年の世界経済フォーラムにおいて、「2050年までに海洋中に存在するプラスチックの量は、重量ベースで魚の量を超える」という報告があり、世間に衝撃を与えたことが記憶にある方も多いかと思います。
SGDsの目標14に「海の豊かさを守ろう」とありますが、実際、どのような状況なのでしょうか。
令和2年度版の環境白書に次のような記述があります。
「世界中から、死んだ海鳥の胃の中から誤って食べたプラスチックが多く見つかり、魚の胃の中からも、細かいプラスチックが発見されています。」
「海中などに放棄され又は流出した網やカゴなど(中略)持ち主のいなくなった漁具が人の管理を離れて長期間水生生物を捕獲することからゴースト・フィッシングとも呼ばれており、生態系だけでなく、漁業にも悪影響を与えています。」
プラスチックは、1950年頃から大量生産が始まり、ゴミとして大量に海洋に蓄積していることが明らかになりました。
さらに、プラスチックごみに関連して、「マイクロプラスチック」というキーワードがとり沙汰されるようにもなりました。
海の波の衝撃や紫外線の影響などによりプラスチックが5mm以下の微細なものとなったものや、洗顔料や歯磨き粉のスクラブ剤として使われるプラスチックの粒子が、最近では魚の体内や、水、塩、人糞からも発見されており、生態系への悪影響が懸念されています。
なぜかというと、マイクロプラスチックは、環境汚染を引き起こすだけではなく、汚染物質や重金属を引き寄せることで、それが食物連鎖に取り込まれることで海洋生物にも、果ては人類にも、健康問題を引き起こすと言われています。
図は、マイクロプラスチックの密度分布です。(環境白書令和2年度版より抜粋)
北極や南極まで広く分布していることが見受けられます。
また、東南アジア・アフリカ付近の密度が高いことが分かります。
そして、WFFジャパンの公式ホームページには以下のような記述があります。
「海洋プラスチックの8割以上は、陸上で発生し海に流入したもの。特に多いのが、使い捨て用が中心の「容器包装用等」。この用途に使われるプラスチックは、世界全体のプラスチック生産量の36%、世界で発生するプラスチックごみの47%を占めていると考えられます。」
私たちの生活の手軽さや利便性を支える「プラスチック製品」は、多岐にわたり用いられており、日本はプラスチックの生産量で世界第3位ともいわれています。
近年、レジ袋が有料化されたり、ファストフードチェーン各店でプラスチック製のストローが排除されたりと、社会的な取り組みが多くなってきましたが、私たち個人もまた、プラスチック消費を減らすことが大切です。
よく言われる「3R」(リデュース・リユース・リサイクル)があげられますが、再利用や再使用以上に、ゴミ自体を減らす=そもそもプラスチック製品の使用量を減らす、ということが、海を守り、やがては「魚料理を楽しむ食習慣」を持続可能にすることだといえます。
たとえば、以下のような工夫はいかがでしょうか。
・ペットボトル容器の調味料ではなく、ガラス瓶を使用した調味料を選ぶ。
・タンブラーを活用し、ペットボトル飲料の購入を減らす。
・環境に優しい洗顔料や洗濯洗剤、歯磨き粉などを選ぶ。
・スーパーなどでビニール包装されていない商品を選ぶ。
・過度な梱包のない、スタイリッシュなプレゼント選びをする。
私たちの健康や美容を守るには、健康的な食生活が基本ですが、命の循環は健やかな地球環境があってこそだといえます。台所から「きれい」と環境を守る工夫を一緒にしていきませんか。
みなさんの日々の実践が、ご自身の美容やご家族の健康だけでなく、地球のためにもなっている♪とウキウキして頂けましたら幸いです。
参照:
環境省 環境白書(令和2年版)
WFFジャパン 公式ホームページhttps://www.wwf.or.jp
ペンギン君が教える環境問題の本(ポリー・ガジ/レイチェル・ルイス ゴマブックス株式会社)