温活食材で巡り美人
2025/10/28
ほどよい歯ごたえと、
自然な甘みが魅力の
れんこん
蒸す、焼く、煮る
すりおろす――
さまざまな料理に溶け込み、
体を内側から
整えてくれます。

ハスの地下茎が
肥大してできた根菜で、
最大の特徴は、
中心から外側にかけて
規則的に配置された空洞。
れんこんの穴は、
泥の中で育つハスが
地上の葉や花に空気を
送るための通気孔であり、
この構造によって、
泥の中でも呼吸を
続けられるのです。
切ると美しい穴が並び、
“見通しがよい”という意味で
縁起物としても
親しまれてきました。
おせち料理に欠かせないのは、
その形が「先を見通す」
縁起の良い象徴だからです。

れんこんの旬は、
秋から冬(10月〜2月)
季節によって
食感や味が変わるため、
調理法を変えるだけで
まったく違った味わいを
楽しむことができます。

寒さの中でじっくり育った
冬のれんこんには、
体温める作用があり
冷えや冬の乾燥対策にも
ぴったり!
“旬のものを食べること”は、
古くから健康の基本と
されてきましたが、
れんこんはその代表格です。

れんこんに含まれる
ビタミンCは
でんぷんに包まれているため、
加熱しても壊れにくい
ことが特徴です。
コラーゲンの生成を助け、
肌のハリを保つだけでなく、
ストレスへの抵抗力を高める
「抗ストレスビタミン」
としても重要な役割をもつ
ビタミンC
自律神経が乱れがちになる
季節の変わり目に食べたい
癒しの食材ですね。
れんこんの切り口が
空気に触れて変色するのは、
抗酸化成分のタンニンが
酸化するため。
このタンニンには、
体内の活性酸素を
抑える働きがあります。

古くから民間療法として、
すりおろした
れんこんの絞り汁が
咳止めや喉の痛みの緩和、
鼻血の止血などに
使われてきたのは、
この成分の働きによるものです。
口や喉の粘膜を
引き締めて保護し、
風邪や花粉症など
アレルギー症状の緩和にも
役立つといわれています。
そして、れんこんを
すりおろしたときの
“ねばり”の正体は、
糖とたんぱく質が
結びついた成分、
ムチン

納豆や山芋などにも
含まれるこの成分は、
腸内環境を整え、
腸の粘膜を保護し、
美腸づくりを
サポートしてくれます。

保存する際は、
切らずに泥付きのまま
新聞紙で包み、
冷暗所で保管しましょう。
れんこんは、
調理法によって、
味わいも働きも変わります。
すりおろして
ポタージュにすれば、
胃腸をやさしくケアする
癒しの一品に。
きんぴらにすると、
シャキッとした
歯ごたえが心地よく、
噛むことで
ストレス発散に。
蒸して塩をひと振りすれば、
れんこんそのものの
素朴な甘みと風味を
最大限に楽しめます。

地中で育つれんこんは、
「温活食材」
冷えが気になる
これからの季節に、
ぜひ積極的に
摂り入れてみてください。
旬のれんこんで、
心と体を“通し”ましょう♡




