カカオ豆から見る環境と経済 ~台所から「きれい」と環境を守る~
2024/04/16
みなさん、こんにちは。
4月も下旬に差し掛かり、日照時間もかなり長くなってきましたね♪
青々とした新緑が気持ちよい季節、このような環境を永続的に守れるよう、
今月も「台所から『きれい』と環境を守る」コラムをお届けしたいと思います♪
さて、今回のテーマは「カカオ豆から見る環境と経済」です。
突然ですが、みなさん、チョコレートはお好きですか?
純粋なチョコレートもあれば、
チョコレートケーキ、チョコレートアイス、チョコレートクッキーなど、
様々な形で私たちのティータイムを彩ってくれます。
インナービューティーダイエット協会でも、
ココアパウダーを用いてタルトを作ったりアイスを作ったりするレッスンもあり、
チョコレート好きには欠かせない存在です。
しかし、ここ数年でカカオ豆の高騰が続いています。
原因は「カカオ豆の不作」によるものです。
世界のカカオ豆生産の約6割を占めるガーナとコートジボワールでは、
2023~2024年シーズンの供給不足は37万4000トンと前シーズンの5倍に達する見通しと言われています[1]。
これにより、チョコレート価格の上昇につながる可能性があり、
2024年4月の時点で、カカオ豆の価格は1年で3倍に跳ね上がっているという報告もありました。
カカオ豆の不作による経済的打撃を受けるのは、チョコレートメーカーのみならず、消費者価格への影響も懸念されます。
だからこそ、今、持続可能なカカオ生産の在り方を、消費者である私たち自身も考えなければいけない局面になってきていると言えます。
農林水産省の「カカオの持続可能性に関する調査」では次のように報告されています[2]。
World Ressources Institute が実施した「2017 から 2018 年へかけての熱帯原始林
消失 率」調査によると、コートジボワールの森林消失率は 26%でワースト 2 位で
あった。カカ オ栽培だけが原因でないが、森林破壊が進行するとカカオ栽培に
必要な気候条件が保てなくなる可能性ある。 また、2022 年 2 月、国際環境NGO
のマイティー・アース(MIGHTY EARTH)は、カ カオ生産地の拡大によって
2019~2021 年の 3 年間でコートジボワールとガーナの 2 カ国 で合計 5 万 8,919ha
の森林が失われたとする報告書を発表した。
カカオ豆の栽培には、広大な土地が必要でその多くが熱帯雨林を伐採して作られています。
このプランテーション(単一栽培農場)が生物多様性の喪失や気候変動の加速につながっており、
上記の報告にあるように2019年~2021年の3年間で、東京23区と同等の面積の森林が破壊されました。
さらに地球温暖化による異常気象も相まって、熱波・干ばつ・大雨などに見舞われ、農業被害が増えているのが現状です。
また、カカオ豆の生産には児童労働問題も問題視されており、これらに対処するには私たち消費者の意識の持ち方が重要だと言えそうです。
では、私たちに何ができるでしょうか。大きく分けて、2つあります。
- 認証マークのあるチョコレートを選ぶ
フェアトレードや、レインフォレスト・アライアンスなどの認証を受けたチョコレートを選ぶことで、環境や人権に配慮した生産を支援できます。
- 地球温暖化を促進させない「優しい暮らし」をする
私たちの日常生活で出来ることとして、ゴミを減らしたり、省エネを心掛けたり、小さな取り組みも重なっていけば意味あるものとなります。
いかがでしたか?
チョコレートだけでなく、例えばオリーブオイルやバニラビーンズなども、地球温暖化や森林伐採が起因して価格高騰に繋がっている例があります。
やはり私たちの暮らしにおいて、経済的負担を減らしていくには、環境への負荷を減らしていくこととリンクしていると言えそうです。
知ることと、すること。続けていくこと。
是非、一緒に取り組みをしていきましょう。
参照:
[1]読売新聞(2024.3.27記事) https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240327-OYT1T50129/
[2]農林水産省 カカオの持続可能性に関する調査itaku_R03_ippan-703.pdf (maff.go.jp)
[3]農林水産省 農林水産物輸出入情報 令和6年度1月yusyutu_2401.pdf (maff.go.jp)