血液脳関門~脳は関所で守られている~
2022/11/22
わたしたちの生命を司る
脳
脳の中の血管には
体の他の血管にはない仕組みがあります。
血液脳関門(Blood Brain Barrier)です。
血液脳関門が存在するのは
神経細胞と毛細血管の間。
脳への栄養素などの供給も
血液脳関門を通過したものしか
入ることができません。
高分子の脂質やたんぱく質は
そのままの形状では
通り抜けることができないのです。
※血液脳関門の機能障害に陥ると
脳の有害物質の排せつに支障が生じ、
アルツハイマー病の発症や進行にも
関わるといわれています。
近年、脳腸相関は
脳と腸の関係をみるのだけではなく、
腸内細菌の存在をも
考える必要があるという
研究が進んでいます。
腸内細菌が
食物繊維から作る有用物質である
短鎖脂肪酸が、
中枢神経に影響を与える物質として
注目されるようになりました。
この短鎖脂肪酸のひとつである酪酸は
BDNF(脳由来神経栄養因子)を増加させ、
脳の成長に関係している可能性があります。
酪酸菌を増やすためには
食物繊維を摂ることが必要。
さらに
プロバイオティクスといわれる
善玉菌そのものを直接摂取できる食品も
意識していきましょう。
腸を整え、腸内細菌を育てることは
脳の健康へも繋がります。
最後に
こちらは
血液脳関門を簡単に通過できてしまう
脳に作用する物質です。
健やかな脳を守るためにも
気をつけていきたいものですね。
参考文献:「心と体を健康にする腸内細菌と脳の真実」
「心と脳が元気になる長寿食」
「脳の機能に関与する腸内フローラと「脳腸相関」」