食料自給率と向き合う~IBD食事指針でできること~
2022/11/15
日本の食料自給率は低いというのは、誰もが聞いたことがあると思います。
食料自給率とは、なんとなく国産を食べている割合が少ないのだろうな。
ということは、想像しやすいのですが、どういうことなのか、少し紐解きますと、
食料自給率とは、我が国の食料供給に対する国内生産の割合を示す指標です。
算出方法も2種類あり、
1つ目は、カロリーベース、つまり、栄養価に着目した算出方法。
2つ目は、生産額ベース、つまり、経済的価値に着目した算出方法。
日本では、カロリーベースを採用していますが、世界的には、生産額ベースを採用している国が多くあります。
※農林水産省より画像引用
世界との食料自給率比較の比較はどうなっているのでしょう。
カロリーベースだと最下位、生産額ベースだと少し順位が上がります。
※農林水産省より画像引用
かつて、73%の食料自給率を誇った日本が、令和3年度には、38%、
生産額ベースでも、86%から63%に落ち込みました。
食生活の変化が食料自給率の減少といえそうです。
小麦製品の摂取量が増えたことと、油脂類の消費の増大によるものが要因として考えられます。
パン、麺、菓子類と、多岐にわたり使用される小麦のほとんどは外国産に委ねられています。
そういった小麦を使った食品や油脂類はカロリーも高いですから、当然、カロリーベースで算出する食料自給率は低くなりますね。
食料自給率が低くても、日本は飢餓がなく、
危機感を感じない人が多いのではないかと感じております。
しかし、円安の今、どうでしょうか?
物価の高騰化はすでに問題になっています。
他国では、日本以上にインフレが起こり、ウクライナ情勢、さらに、
輸入先であるアメリカ、カナダの小麦不作により、小麦の国際価格も値上がりしました。
しかも、経済的状況の見通しも悪く、経済的豊かさのアドバンテージを失いつつある日本。
世界情勢もどうなるかわからない状況です。
10年後、20年後、好きなように好きなだけ食べることは可能でしょうか?
自分たちの国を、自分たちで支えることを考えていきたいですね。
日本は、もともと稲作の盛んな国。
風土も気候も稲作に合っている。と、考えられます。
現代でも、食料自給率100%のお米ですが、残念ながら、消費量は減っています。
食生活が多様化した今、数十年前と同じものを食べることは、難しいですね。
現代人に合ったお米の消費の仕方はあります。小麦粉の代替品として、米粉を使用する。
麺類はお米や、雑穀由来もあります。
そして、忘れてならないのが、油の消費ですが、
IBD食事指針は、加熱調理に油を使用しないことがスタンダードです。
美容のため、健康のために酸化した油を使用しないことをベースにした調理法ですが、
食料自給率をあげることにも一役買ってくれますね。
IBD食事指針は、旬のもので季節を味わい、油は生でいただくことが基本です。
ドレッシングや、マヨネーズ、○○のたれは使用しないので、知らず知らずに、外国産の油を購入していることはなくなります。
お食事に意識を向けること、
それは、美しくなりたい、ダイエットしたい、家族の健康のために、と、始めたことが、
美しさも、健康も叶い、日々のお食事の蓄積で、日本の食料自給率を支えているなんて、素敵なことですね。
歴史的な円安の今だからこそ、物価の高騰している今だからこそ、
大切に食材を選び、自らの心と肉体を慈しみ、
やがては、食料自給力を高めることへと繋げていきたいですね。
参考文献:日本の食料自給率:農林水産省(maff.go.jp)